「禁煙治療」についてのお話
今回は禁煙治療について、広津外科・消化器外科医院(久留米市原古賀町)の広津順先生にお話を聞いてきました。
院長 広津順
タバコの害
タバコの値段もどんどん上がり、喫煙できる場所もどんどん無くなり、愛煙家にとってはますます肩身の狭い世の中になってきています。以前に比べ、喫煙率は減少傾向にありますが、平成23年の調査では、日本人の喫煙率は20.1%。男性の喫煙率は32.4%で20歳~50歳代は4割前後が喫煙しています。一方、女性の喫煙率は9.7%で少しづつ増加傾向にあります。タバコが体に良くないことはみなさんご存じでしょうが、具体的には何が良くないのでしょう?
タバコの煙には、4000種類以上の化学物質と250種類以上の発がん性物質が含まれています。
ですので、タバコによってリスクが高まる病気は、各種がん、心筋梗塞、狭心症などの心疾患、脳卒中、胃潰瘍などの消化器疾患、糖尿病、骨粗鬆症、白内障、女性では、不妊、妊娠合併症…など挙げればきりがありません。
また、副流煙による受動喫煙も問題になっており、乳児の突然死や呼吸器疾患のリスクが上がります。
夫の喫煙でタバコを吸わない妻が肺がんになるリスクは約2倍になるとも言われています。
禁煙治療
禁煙治療には、ニコチンパッチやニコチンガムなどニコチンを補充して、離脱症状をおさえる方法とバレニクリン(チャンピックス)という内服薬によって、離脱症状と喫煙による満足感を感じにくくする方法があります。
今回は、主流になりつつあるバレニクリン(チャンピックス)による禁煙治療についてお話しします。
計5回の診察があり、治療期間は12週間です。各診察では、息に含まれる一酸化炭素の濃度を測ったり、医師から禁煙のアドバイスを受けたりします。薬は、禁煙開始予定日の1週間前から内服を開始し、内服開始8日目から禁煙します。そのまま、内服は治療終了まで続けます。費用ですが、保険適応で3割負担のかたで約1万8千円(12週間の総額)です。
1箱300円のタバコを1日1箱吸う人であれば、1年の禁煙で11万、5年で55万、10年で110万、20年で219万が節約できます。チリも積もれば…ですね。
禁煙したいけど、なかなか踏み出せないかた、いままで禁煙に失敗されたかた、この機会に禁煙治療されてみてはいかがでしょう。
広津外科・消化器外科では禁煙相談に対しましても安心して、心地よく受診いただけるように、患者様と心から向き合い、ご納得いただけるまで、しっかりご説明する事を心掛けております。どうぞ、お気軽にご相談下さい。
投稿日:2013年08月31日(土)