逆流性食道炎についてのお話
今回は逆流性食道炎について、広津外科・消化器外科医院(久留米市原古賀町)の広津順先生にお話を聞いてきました。
院長 広津順
逆流性食道炎
最近この言葉をよく耳にされるかたも多いかと思います。いったい、逆流性食道炎とはどのような病気なのでしょうか。胃の内容物、特に胃酸が逆流することによって生じる病態で、内視鏡検査で観察してみると、胃の入り口の粘膜が赤くなっている程度のものから潰瘍を形成しているものまで様々です。
原因としては
胃の入り口のしまりが緩くなる食道裂孔ヘルニア、肥満、背中が曲がっている、妊娠、コルセットなどによるお腹の締め付け、そして最近では食の欧米化(脂っこい食事、食べ過ぎ)などがあります。
症状は
胸焼け、酸っぱいものがあがってくる、食べ物がつかえる、胸が痛む、胃がもたれる、ムカムカするなど様々です。これ以外にも、のどの違和感、せき、ぜんそく症状なども逆流性食道炎の可能性もあります。このように、非常に多彩な症状を引き起こすことが分かっています。
診断方法は
問診と内視鏡検査です。内視鏡で異常がない場合は、非びらん性胃食道逆流症といって日本人には特に多く、症状がある人の約8割にものぼるといわれています。
予防方法は
脂っこいもの、甘いもの、刺激の強いものを控え、食べ過ぎ、深夜の食事を避けて規則正しい食生活を送ることです。あとは、お腹を締め付ける服装や長時間の前かがみの姿勢を控え、就寝時は上半身を高くして寝ましょう。肥満解消と禁煙も大事です。
治療方法
上記の生活習慣の改善と、胃酸の分泌を抑える薬で胃酸をコントロールすることになります。
□軽い胸焼けが週に2日以上または不快な胸焼けが週に1日以上ある
□胸焼けがしてよく眠れない
□酸っぱいものがあがってくる
□胸のあたりがなんともいえず気持ち悪い
上記4つのうち1つでも当てはまる方は逆流性食道炎の可能性があります。心当たりのある方は医師に相談されることをお勧めします。
年末年始で外食の機会も増えてくる時期です。逆流性食道炎の症状が出現したり、悪化してしまう時期でもあります。暴飲暴食に気を付けて健やかな年の瀬にしましょう。
投稿日:2013年12月16日(月)